【基本情報技術者試験】『ネットワーク』分野対策

こんにちは。

今回は基本情報技術者試験の対策としてネットワーク分野の重要なところを解説していこうと思います。

もちろん情報処理技術者試験の対策としてではなく単純にネットワークについて学びたいという人もぜひ一読して行ってください。

【基本情報技術者試験】『ネットワーク』分野対策

回線

回線とは、伝送路とも言い、データが通る線のことです。

基本情報技術者試験では回線を通るデータの速さに関する計算問題が出題されます。

回線を通るデータの速さに関する計算問題では「伝送時間(転送時間)」と「伝送効率(回線利用率)」がよく聞かれます。

伝送時間とは、データを伝送するのにかかる時間のことです。

伝送効率とは、回線速度に対する伝送速度の割合のことです。

回線速度とは、回線がデータを送ることができる最大の速さのことです。単位は「bps(bit per second)」または「ビット/秒」となります。

それぞれ以下の式で求めることができます。

伝送時間(データが送られる時間)=伝送速度÷回線速度

伝送効率=データ量÷伝送速度

通信プロトコル、OSI基本参照モデル、TCP/IP

通信プロトコルとは、コンピュータ同士が通信する際に守るべき規格のことです。

OSI基本参照モデル

OSI基本参照モデルとは、コンピュータ同士で通信する際に利用するネットワークの機能を7つに分類して階層化したモデルのことです。

階層階層名
第1層物理層
第2層データリンク層
第3層ネットワーク層
第4層トランスポート層
第5層セッション層
第6層プレゼンテーション層
第7層アプリケーション層

OSI基本参照モデルの各層で使用される機器を紹介します。

階層ネットワーク機器
第1層リピータ
リピータハブ
第2層ブリッジ
スイッチングハブ
第3層ルータ
第4~7層ゲートウェイ
リピータ、リピータハブ

リピータは長いケーブルを通って弱くなってしまった信号を増幅させ、通信距離を延ばす装置です。

リピータハブはリピータを複数繋いだ装置のことです。

ブリッジ、スイッチングハブ

ブリッジは、データのMACアドレスを見てLANとLANを中継する装置です。

スイッチングハブはブリッジを複数繋いだ装置のことで、複数のLAN間の通信を可能にします。

レイヤ2スイッチとも呼ばれます。

MACアドレスとはネットワーク機器に重複なく割り当てられている番号のことです。

LANとは、限られた範囲内の小規模なネットワークのことです。一方広い範囲の大規模なネットワークのことをWANといいます。

ルータ

ルータはデータのIPアドレスを見てネットワーク間を中継する装置です。

ゲートウェイ

ゲートウェイは第4~7層でプロトコルが異なるネットワークを接続する装置です。

TCP/IP

TCP/IPモデルとは、OSI基本参照モデルをよりシンプルにしたモデルです。

OSI基本参照モデルではなく、TCP/IPモデルが現在使われている標準ルールとなります。

階層階層名
第1層ネットワーク
インタフェース層
第2層インターネット層
第3層トランスポート層
第4層アプリケーション層

OSI基本参照モデルとTCP/IPモデルの層は以下のように対応しています。

物理層、データリンク層→ネットワーク、インタフェース層
ネットワーク層→インターネット層
トランスポート層→トランスポート層(そのまま)
セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層→アプリケーション層

IPアドレス、サブネットマスク

IPアドレスとは

IPアドレスとはネットワーク上の住所のようなものです。

IPアドレスがあることでネットワークに接続しているコンピュータを識別することができます。

IPアドレスは数字の羅列で覚えにくいので、ドメイン名(コンピュータを区別するための名前)に対応付けられます。

また、IPアドレスには「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」があります。

グローバルIPアドレスとは、インターネットに接続するコンピュータに、重複なく一意に割り当てられたIPアドレスのことです。

プライベートIPアドレスとは、インターネットに直接は接続しないコンピュータに割り当てられる、LAN内で使用されるIPアドレスのことです。

サブネットマスクとは

サブネットマスクとは、IPアドレスの「ネットワーク部」と「ホスト部」を識別するための番号のことです。

IPアドレスはネットワーク部とホスト部の2つで構成されており、ネットワーク部はどのネットワークに属しているのかを表していて、ホスト部はどのコンピュータなのかを示しています。

この「ネットワーク部」と「ホスト部」はサブネットマスクを見ることによって分かります。

サブネットマスクではネットワーク部をで表し、ホスト部をで表します。

例えば以下のようなIPアドレスがあったとします。(以下、分かりやすくするためにネットワーク部を赤色、ホスト部を青色にします。)

146.122.172.32

↓2進数表記にします。

10010010 10111010 10101101 00100001

上記のIPアドレスのサブネットマスクが以下のものだとします。

254.254.240.0

↓こちらも2進数表記にします。

11111111 11111111 11110000 00000000

すると、この場合は上位20桁がネットワーク部、下位12桁がホスト部だということが分かります。

基本情報技術者試験過去問

まずは以下の3つの問題を解いてみてください。

問1

10Mビット/秒の回線で接続された端末間で,平均1Mバイトのファイルを,10秒ごとに転送するときの回線利用率は何%か。ここで,ファイル転送時には,転送量の20%が制御情報として付加されるものとし,1Mビット=106ビットとする。

基本情報技術者試験ドットコムより

ア.1.2
イ.6.4
ウ.8.0
エ.9.6
令和元年秋期 午前

問2

OSI基本参照モデルの第3層に位置し,通信の経路選択機能や中継機能を果たす層はどれか。

基本情報技術者試験ドットコムより

ア.セション層
イ.データリンク層
ウ.トランスポート層
エ.ネットワーク層
平成27年秋期 午前

問3

2台のPCにIPv4アドレスを割り振りたい。サブネットマスクが255.255.255.240のとき,両PCのIPv4アドレスが同一ネットワークに所属する組合せはどれか。

基本情報技術者試験ドットコムより

ア.192.168.1.14と192.168.1.17
イ.192.168.1.17と192.168.1.29
ウ.192.168.1.29と192.168.1.33
エ.192.168.1.33と192.168.1.49
平成28年秋期 午前


問1.解答

回線利用率は伝送効率のこと、転送量はデータ量のことです。伝送効率はデータ量÷伝送速度で求めることができます。

まず1秒当たりの転送量を求めます。

ファイル転送時に転送量の20%が制御情報として付加されるので転送するデータ量は1Mバイト×1.2=1.2Mバイトと求められます。

10秒ごとにファイルの転送を行うので、1秒当たりの平均転送量は1.2Mバイト÷10=0.12Mバイトと求められます。

単位を合わせるために回線の通信速度の単位をビットからバイトに変換します。10Mビット/秒をバイト単位に変換すると、10M÷8=1.25Mバイト/秒となります。

1秒当たりの転送量が0.12Mバイト/秒、転送速度が1.25Mバイト/秒なので回線利用率は0.12÷1.25=0.096=9.6%となります。

よってエが正解となります。


問2.解答

ア…セション層は第5層で、アプリケーションプロセス間での会話を構成し、同期をとり、データ交換を管理するために必要な手段を提供する役割をもちます。

イ…データリンク層は第2層で、隣接ノード間の伝送制御手順(誤り検出、再送制御など)を提供する役割をもちます。

ウ…トランスポート層は第4層で、エラー検出/再送などの伝送制御を担い通信の品質を保証する役割をもつ。

エ…ネットワーク層は第3層で、エンドシステム間のデータ伝送を実現するために、ルーティング(通信経路選択)や中継などを行う役割をもちます。よってエが正解となります。


問3.解答

各選択肢のIPアドレスを2進数表記に変換し、サブネットマスクを用いてネットワーク部を比較します。ネットワーク部が等しければ同じネットワークに属していることになります。

選択肢のIPアドレスのうち前半24ビットは共通しているので後半8ビットのうちサブネットマスクが1となっている部分を比較します。

サブネットマスク255.255.255.240を2進数で表すと255.255.255.240=11111111 11111111 11111111 11110000となります。

ア…192.168.1.14のうちの14を2進数表記にすると00001110です。サブネットマスクの後半8ビットは11110000です。よってこのIPアドレスのネットワーク部は00001110(赤色の部分)となります。

192.168.1.17も同じように調べるとネットワーク部は00010000(赤色の部分)だと分かります。

よってネットワーク部が異なるので「ア」は誤りです。

イ…同じように比較していくとネットワーク部が等しくなるので2つのIPアドレスは同一ネットワークに属することが分かります。

よって「イ」が正解となります。

ウ…同じように比較するとネットワーク部が異なるので誤りとなります。

エ…同じように比較するとネットワーク部が異なるので誤りとなります。

IPv4とは32ビットで構成されるIPアドレスのことです。また、携帯電話等のインターネット機器が大量に普及した現代では、32ビットでは足りないため、IPv6という128ビットで構成されるIPアドレスが作られました。

まとめ

今回は基本情報技術者試験のネットワーク分野の対策として、ネットワーク分野の重要なところを解説してきました。

最後までご精読いただきありがとうございました。

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