こんにちは。
この記事では、クロック周波数とMIPSについて、また、その計算方法を初学者にも分かりやすく解説していきたいと思います。
クロック周波数とMIPSに関する計算は結構ややこしいから丁寧に解説していくよ!
クロック周波数とMIPSの計算を分かりやすく解説
クロック周波数とは
クロック周波数とは、CPUの性能を表す評価指標の一つで、コンピュータの内部にある発振器が1秒間に発生させる信号の回数のことです。(この信号のことをクロック信号といいます)
発振器のテンポに合わせてCPUが処理を行うので、クロック周波数によってコンピュータの動作速度が分かります。
クロック周波数の単位は「Hz(ヘルツ)」となります。例えば1秒間に2回信号を発生させることを2Hzといいます。
クロック周波数が大きいほど処理が速いのでCPUは高性能となります。
ただ、CPUの性能はクロック周波数だけで決まるわけではなく、コア数やアーキテクチャ、メモリとの連携も重要です。
クロック周波数に関する重要公式
クロック周波数に関する公式には以下のものがあります。
「1秒間に実行できる命令数=クロック周波数÷一つの命令を実行するのに要するクロック数」
この後解説しますが、この「1秒間に実行できる命令数」を百万単位で表したものがMIPSとなります。
MIPSとは
MIPSとは、Million Instructions Per Secondの略で、1秒間にどれだけ命令を実行できるかを表します。
Million(百万)とあるように、MIPSは百万単位となります。
こちらもCPUの性能を表す評価指標の一つとなります。
MIPSによってコンピュータの処理速度が分かります。
MIPSの計算方法
MIPSは以下の公式で求めることができます。
「MIPS=1÷平均命令実行時間(秒)×10^-6」
桁を百万単位にするため、最後に10^-6を掛けています。
また、平均命令実行時間とは、1つの命令を実行するのにかかる平均時間のことです。
基本情報技術者試験ではMIPSだけでなく平均命令実行時間が聞かれることもあるので、上記の公式から求められるようにしておきましょう。
基本情報技術者試験過去問にチャレンジしてみよう
まず以下の2つの問題を解いてみてください。
問1
動作クロック周波数が700MHzのCPUで,命令の実行に必要なクロック数とその命令の出現率が表に示す値である場合,このCPUの性能は約何MIPSか。
基本情報技術者試験ドットコムより
ア.10
イ.50
ウ.70
エ.100
平成30年秋期 午前
問2
クロック周波数が1GHzのCPUがある。このCPUの命令種別が,表に示す二つから成っているとき,処理能力は約何MIPS か。
基本情報技術者試験ドットコムより
ア.34
イ.100
ウ.125
エ.133
平成20年春期 午前
問1.解答
この問題ではクロック周波数に関する公式、「1秒間に実行できる命令数=クロック周波数÷一つの命令を実行するのに要するクロック数」を使います。
まず1命令を実行するのに必要な平均クロック数を求めます。
各命令を実行するのに必要なクロック数に出現率を掛けて足します。
4×0.3+8×0.6+10×0.1=7.0
計算結果から、1命令に必要な平均クロック数は7クロックであるとわかります。
動作クロック周波数が700MHzなので1秒間に実行できる命令数は
700×106÷7=100×106回となります。
MIPSは1秒間に実行できる命令数を百万単位で表す指標なので、このCPUの性能は100MIPSとなります。
よって「エ」が正解となります。
問2.解答
1問目と同様に、「1秒間に実行できる命令数=クロック周波数÷一つの命令を実行するのに要するクロック数」の公式を使います。
2種類の命令を実行するのに必要なクロック数とその出現頻度を重みづけして1命令あたりの平均クロック数を求めると
10×0.6+5×0.4=8クロックとなります。
クロック周波数が1GHzなので1秒間に実行できる命令数は
1,000,000,000÷8=125,000,000回となります。
MIPSは命令実行回数を百万単位で表したものなのでこのCPUは125MIPSの処理能力をもっていると分かります。
よって「ウ」が正解となります。
まとめ
今回は基本情報技術者試験の対策としてクロック周波数とMIPSについて、またその計算方法も解説しました!
最後までご精読いただきありがとうございました。
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