こんにちは。
今回は、プロジェクトマネジメントの分野の重要な用語である、「クリティカルパス」について解説していこうと思います。
~~こんな人に見て欲しい~~
・IT系の内容に興味がある
・基本情報技術者試験を受ける予定
・クリティカルパスとは何か知りたい
・最短日数とクリティカルパスの違いを知りたい
クリティカルパスとは?
クリティカルパスの説明の前に
クリティカルパスの説明をする前に、まずプロジェクトの作業経路を表現する図について解説します。
作業経路を表現する図として「アローダイアグラム」というものがあります。
アローダイアグラムとは、作業の流れを矢印で表した図のことです。
下図のように、矢印の上に作業名、下に作業にかかる日数(所要日数)を記載します。
<アローダイアグラム>
作業にかかる日数が記載されているので、アローダイアグラムを見ればプロジェクトの最長の作業経路(クリティカルパス)が分かります。
アローダイアグラムでは以下の3つの記号が使われます。
この記号は作業と呼ばれ、所要日数がある作業を表します。
この記号はダミー作業と呼ばれ、所要日数がない作業を表します。
実体を持たず作業としては何もしませんが、先の作業をするには前の作業も終わっていなければならないという意味になります。
この記号は結合点と呼ばれ、作業の開始や終了を表します。
クリティカルパスとは
クリティカルパスとは、プロジェクトの作業経路のなかで最長の経路のことです。
例えば以下のようなアローダイアグラムを持つプロジェクトの場合を考えてみましょう。
A→B→C→Dの経路の場合、作業日数は11日、
A→B→C→Gの経路の場合、作業日数は12日、
A→E→F→Gの経路の場合、作業日数は11日となるので、最長の経路はA→B→C→Gの経路だと分かります。
よってクリティカルパスはA→B→C→Gの経路(黄緑色の線で辿った経路)となります。
最短日数とは
最短日数はよく意味が勘違いされやすいので気をつけましょう。
最短日数とは、すべての作業が終わるのにかかる日数のことです。
例えば以下のようなアローダイアグラムを持つプロジェクトの場合、最長の経路(クリティカルパス)、A→B→C→Gにかかる日数である12日が最短日数となります。
もしDの作業が2日遅れたとすると、クリティカルパス(最長の経路)はA→B→C→Dとなり、最短日数は13日となります。
基本情報技術者試験の過去問にチャレンジしてみよう
まず以下の2つの問題を解いてみてください。
問1
図に示すプロジェクト活動のクリティカルパスはどれか。
基本情報技術者試験ドットコムより
ア.A→B→E→I→L
イ.A→C→D→E→H→K
ウ.A→C→F→I→L
エ.A→C→G→J→L
平成26年春期 午前
問2
図は,あるプロジェクトの作業(A~I)とその作業日数を表している。このプロジェクトが終了するまでに必要な最短日数は何日か。
基本情報技術者試験ドットコムより
ア.27
イ.28
ウ.29
エ.31
平成27年春期 午前
問1.解答
ダミー作業がないので単純に最も所要日数が多い経路を探します。
ア…A→B→E→I→Lの経路は2+3+1+2+3=11日
イ…A→C→D→E→H→Kの経路は2+3+1+1+3+2=12日
ウ…A→C→F→I→Lの経路は2+3+3+2+3=13日
エ…A→C→G→J→Lの経路は2+3+4+2+3=14日
所要日数が最も多いのは選択肢エの経路なので、正解は「エ」となります。
問2.解答
A→F→D→Iの経路の所要日数は3+14+6+5=28日
A→B→G→(上のダミー)→D→Iの経路の所要日数は3+6+11+0+6+5=31日
A→B→C→D→Iの経路の所要日数は3+6+8+6+5=28日
A→B→H→Iの経路の所要日数は3+6+15+5=29日
A→E→(下のダミー)→G→(上のダミー)→D→Iの経路の所要日数は3+5+0+11+0+6+5=30日
A→E→(下のダミー)→C→D→Iの経路の所要日数は3+5+0+8+6+5=27日
A→E→(下のダミー)→H→Iの経路の所要日数は3+5+0+15+5=28日
よって、最短日数は31日なので、正解は「エ」となります。
まとめ
今回は、プロジェクトマネジメントの分野の重要な用語であるクリティカルパスについて解説してきました!
また、プロジェクトの作業経路を表現する図についてや最短日数とクリティカルパスの違いについても解説しました。
最後までご精読いただきありがとうございまし
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